エジプト・イスラエル平和条約

 エジプト
Egypt (英語)

 …「主神プタの宿る場所」。

  cf. 古王国時代の都メンフィス Memphis の古代エジプト名ハト=カ=プタ Hat ka Ptah

  「主神プタの宿る場所」を語源とするギリシア名のアイギュプトス Aegyptus に由来。

  ハト hat 「場所、国」がアイ ai 「土地」、カ ka がギュ gy 、プタ Ptah がプト pt に

  なったアイギュプトにギリシア語の接尾語 os が付いた。

   なお主神プタは創造神で、ナイル河の泥から全ての者を創り出したされる。

   エジプトと同様にコプト Copt (古来エジプトに土着している人々、またはキリス

  トの単性説<イエスの神性と人性を融合したものと考える>エジプトとエチオピアの

  キリスト教信者)も、これがなまったもの。

   また、英語の「ジプシー Gypsy 」(ロマ Roma が自称なので、現在の呼称はロマ

  やロマニー Romany)は、 Egyptian 「エジプト人」にちなんだもの。なぜなら、彼らが

  ヨーロッパで、エジプトから来た人々と誤って考えられたから。

   ちなみに現在のエジプトは、アラビア語の正称でアル・ミスル Al Misr 「領土、首都」

  であり、これは首都のカイロをミスルと呼んだことによる。


 イスラエル
yisra'el (ヘブライ語)、イズリエル Israel (英語)

 …「神と競う者」。

  cf. isra は「競う」、 -el は「神」の意味。『旧約聖書』(「創世記」32・29)中の、ヤコブ

   Jacobus (ヘブライ語名 Yaakov )が一晩中不思議な人物と闘い、神と思われるそ

  の人物から「お前は人(兄のこと?)とも神とも闘って勝ったのだから、これからは

  ヤコブでなくイスラエルと呼ばれる」と告げられて授かり、イスラエル民族の祖とな

  った名前。

   なおヤコブは、「ヤハウェは護りたまう」または「かかとをつかんだ者」の意味で、

  前者は素直な解釈で、後者は Ya’aqobh (アケブ ’aqobh は「踵」)と綴り、『旧約

  聖書』「創世記」第25章にある「双子の弟が兄(エサウ)の踵(かかと)をつかんで

  生まれてきたので、このように名付けた」との記述にもとづく見方。また、後者には

  「兄を出し抜いて、弟がその長子相続権を横取りした」というニュアンスもある。ち

  なみに、ヤコブの変形にアキバ Akiba やユウキ Yuki という名前もある。